Webページを記述するためのマークアップ言語。文書の論理構造や表示の仕方などを記述することが可能で、W3Cによって標準化が行われており、大半のWebブラウザは標準でHTML文書の解釈・表示が行えます。汎用的なマークアップ言語であるXMLに準拠するよう一部の使用を改めたXHTML規格も定められています。HTMLでは、文書の一部を“<”と“>”で挟まれた「タグ」と呼ばれる特別な文字列で囲うことにより、文章の構造や修飾についての情報を文書に埋め込んで記述することができ、文章の中で表題や段落の区切りを指定したり、箇条書きの項目を列挙したり、文書の一部として画像や音声、動画を埋め込んだり、他の文書へのハイパーリンクを設定したりすることができます。HTMLは元々SGMLの簡易版として生まれ、主に文章の論理構造を記述する言語だったが、Webの普及が進むにつれて文書の見栄えに関する仕様が追加されていき、その後、見栄えを記述する専用の言語としてCSS(Cascading Style Sheet)が考案され、現在ではなるべく構造の記述をHTMLに、見栄えの記述をCSSに分離すべきとされています。
Webページの記述などに用いるマークアップ言語、HTMLの第5版。WHATWGの提唱した仕様を元に、Web関連技術を標準化しているW3Cで仕様の検討・標準化が進められています。新たに追加された仕様には、音声を埋め込むaudioタグ、動画を埋め込むvideoタグ、任意のグラフィックスを描画できるcanvasタグなどがあり、こうした要素の再生やアニメーションなどの制御や、データの保存、ソケット通信、ドラッグ&ドロップなどをスクリプト言語から利用するための標準仕様(API)も定義されます。従来、動画やアニメーションなどを含むマルチメディアコンテンツや、操作性や表現力に優れたWebアプリケーション(RIA)は、JavaアプレットやFlash、Silverlightなど特定の技術やプラグインを必要としていたが、HTML5を利用すれば標準仕様に則ってこうしたWebコンテンツを開発することができ、HTML5対応Webブラウザで閲覧・利用することができるようになると期待されています。また、ナビゲーション要素を表すnavタグ、節を表すsectionタグ、前置き部分を表すheaderタグなど、文書の構造を表現する要素が追加された一方、fontタグやcenterタグ、bigタグなど見た目の指定に用いるタグの多くが廃止され、埋込みではないフレームを定義するタグ(frame、frameset、noframe)も廃止されています。